• 2010/10/10/Sun 23:09:05
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  • CATEGORY:家づくり

美しく朽ちていく家


もうずっと以前のことです。ある木工作家の方が、木の家具の良さについて語っていた言葉を、今でもとても印象深く憶えています。
「だいたいのものは、出来上がったときが一番キレイで性能もいい。そして時間が経てば、だんだん劣化し、輝きも消えていく。木製品だって使っていれば傷になったり、手入れが悪ければ艶もなくなるだろう。でもね、なんていうかな、木製品は劣化はするけれども、『最期まで美しく朽ちていく』、その様がいいんだよね。」
「だから木工家具はとても寿命が長い。その時間の長さに耐えうる仕事をしなくちゃと思う。」
美しく朽ちていく・・・その言葉にはまるで、生き方まで問われているような力を感じ、以来わたしにとって大切なひとつの美の基準となりました。

家を設計していただくときに、お願いしたことが3つあります。
 土地をねじ伏せるような建て方をしない(まるでここに家が芽をだし、森と一緒に育ったかのような佇まいに)
 うそのある材料の使いかたをしない(予算が足りなくて安物を使うとしても、ちゃんと安物らしく)
 美しい光がある(すなわち美しい影がある)

わたしなりに、「美しく朽ちていける家」を心に描き、思いを込めてしたオーダーです。
時代というふるいにかけられ、時間という樽の中で熟成されながら、常に新しい美しさを纏えるような、そんな家が生まれたらいいな。
それにしてもこれから「新築」するっていうのに、「朽ちる」ことを先にイメージするなんてだいぶへそ、曲がってる?

maple leaf
   はらりと落ちたイタヤカエデの葉に秋の日差し
   風雨にさらされたテラスの床板は、経年変化して錆色に輝いている
   date:2010/10/10
     

COMMENT

はじめまして

以前、とある近隣の山中の小さな集落の辺域で、林にかこまれた茅葺きの民家が、自ら朽ちて行く様を目にした事があります。屋根は豊かな培養土となり、その形をとどめたままに、タラの木や漆の木が何本も生えて、さらに全身に優しい色調の地衣類をまとったその姿は、美を超えた穏やかな畏敬の念すら感じられ、まさに絶句、でした。
美しく朽ちる、ひとつのかたち。その行為の豊さは、出会う度に心を掴まれます。

Re: 0916さま

ブログを読んでくださりありがとうございます。
人智のはるか及ばない力を見せつけられると、圧倒されてただ参りましたと言うほかありませんね。
そこにはなぜか、心地よい敗北感があるのでした。
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