キッチンは忍忍


めざした通りにキッチンは作れたでしょうか?
MapleHutの育ての親としては、キッチンがカワイクてカワイクて、それってただの親バカ?

kitchen 3
   現在のキッチンと、リビングダイニング
   date:2011/02/01

○ MapleHutのキッチンづくり その1
キッチンの存在が目立たない工夫を施すこと (リビングダイニングのコンフォートを最優先するため)

キッチンの天井高が2m10㎝(建築基準法適合の最小寸法)なのに対し、リビングダイニングは吹き抜けとなっていて天井の一番低いところでも3m80㎝あります。
開放的な吹き抜けのリビングダイニングと、天井高を最小に抑えたキッチンとの対比から生まれる視覚効果で、キッチンが小さく見えています。実際の広さは約4畳あり、4人ぐらいで楽々立てます。
またキッチンの壁の仕上げ材を暗く渋い色にすることで、リビングダイニングの白壁に対比させ、キッチンが遠くに、そして小さく見える視覚効果も起こっています。(白い車が大きく近くに見え、黒い車が小さく遠くに見える実験をテレビなどで見たことありませんか?)

わたしが対面型オープンキッチンで一番嫌いなところは、味気ない冷蔵庫が主役のようにでん!と構えて、それが肝心のダイニングから丸見えになっている風景です。だからといって冷蔵庫を控えめな場所に置くと、作業性に重大な欠陥が生じてしまいます。「キッチンは料理をする場所」という当たり前の基本がある限り、冷蔵庫はそこにいなくてはいけません。(冷蔵庫は必要という前提です。冷蔵庫は必要ないという価値観もあります。)
この冷蔵庫というもの、カッコよくデザインされればされるほど自己主張してくる厄介なやつです。「えっ、こんなところに冷蔵庫が!」、と驚くほど忍者な冷蔵庫をデザインしていただけないものだろうか。せめて表面材を艶消しのマット仕上げにするくらい、訳ないことだと思うのですが。ピカピカ光っていないと冷えた感じがしないのですか?
わたしの気に入る冷蔵庫がないからといって、それを持たないと決めるほどの潔さはありません。そこで、可能な限り目立たせないような、配置の工夫をしました。
キッチン空間に設計上わざと深い入隅をつくってもらい、そこに冷蔵庫を置きました。少しは控えめに見えるのではと思います。

※冷蔵庫を置くために深い入隅を作ったせいで、食器棚の奥行が27.5cm(内法23.5㎝)と極端な薄型になってしまいました。しかしこれがまた、使ってみたらとても使いやすかったのです。詳しくはまたの記事で紹介します。
※以上のような配置の工夫は、基本設計と同時でなければできません。実施設計が出来上がり、ハイ、ここにキッチンをなんなりと落とし込んでくださいといわれても、できることは限られています。


リビングダイニングから見たキッチンは暗く狭く、閉鎖的な印象を受けられると思います。それはキッチンを目立たなくさせるという意図から、計画的にそのように設計しています。
しかしキッチンに立つと印象は逆転し、とても開放的です。「居心地のいい住まい(記事11/01/14)」に掲載した、キッチン側から見た写真と比較してご覧ください。

気持ちの良い開放的なキッチンにすることと、開放的に「見える」キッチンを作ることは意味が少し違うのです。
なにがどう見えるか、またはどのように見せるかという意図的な操作は、キッチンに限らずとても重要です。

worktop
   LDK入り口からキッチンを見る
   木のワークトップは、キッチン〝らしく〟なくていい
   台になる壁は大工さんが作り、その上に家具屋さんに作ってもらった無垢板のワークトップを乗せた
   ハイスツールに腰を下ろしてギョーザをつくる、をイメージして膝が入る程度持ち出している

シンク側のワークトップは、タモの無垢板で、厚みが38㎜あります。
実用性という観点から、ワークトップにはステンレスや人造大理石を使うことが一般的です。しかし、それら素材が持っている自己主張の強い個性は魅力的ではあるのですが、ここでは悪目立ちしそうな感じがします。のんびりした雰囲気のリビングダイニングが、ステンレスや人造大理石の力強さに負けてしまいそうな気がしました。
キッチンは大好きですけど(記事10/12/08)、ここでの主役はキッチンではなく、リビングダイニングでのコンフォートです。
だからといって、自己主張するワークトップを隠そうとダイニング側にカウンター付の腰壁を立ち上げると、それも「ここにキッチンが隠れてますよ~!」という感じに見えはしないだろうか?
考えた末、圧迫感のあるワークトップ前の腰壁とカウンターも無くして、ペニンシュラ(半島)型のキッチンにし、丸見えになるワークトップは、それが見えてもリビングダイニングの雰囲気を壊さない、木の無垢板で作ることにしました。
シンク側ワークトップの下は、扉などない完全なオープンにしたかったので、38㎜という厚み(強度)が必要になりました。
一般的なキッチンの作り方をすれば、収納キャビネット(引出しのものと扉のものがある)を並べた上にワークトップを乗せるので、それほどの厚みは必要ありません。

よく考えて決めたのですが、本当は完成を見るまでとても不安がありました。
木という素材、特に無垢で、しかも厚さが38㎜もある。心配はワークトップとして実用性があるかどうかということではなく、存在感がありすぎないか、ということです。
ナチュラルな雰囲気のこの家には、ステンレスや人造大理石のような人工的なものより木はずっと馴染みがいいはず、とは思います。(でもなぁ~・・・後から買う予定のダイニングテーブルよりワークトップの方が立派だったら、かえって貧乏くさくてヤだな・・・そもそもキッチンを目立たせたくないから木にするのに・・・ワークトップに負けないようにと、泥臭い民芸調のテーブルにはしたくないしなぁ・・・)不安でした。

不安は、完全な取り越し苦労でした。悩んだことが無駄だったかと思うくらい何ごともなく空間に馴染み、これ以外にはありえないとさえ感じます。
無垢の木という素材はすごいです!とてもえらいです!強い個性を持ちながら自己主張しない、主張せずとも存在感はある。包容力があってたくましい。
木のワークトップは、実用面よりもビングダイニングの雰囲気を壊さないための選択でしたが、実用上もなんの問題もなく使えています。

※木でワークトップを作る場合、いくつか重要な注意点があり、その注意点については別の回で紹介します。
   

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